鉄道の博物館が名古屋、大宮、京都に作られて子供たちに人気ですが、今回行ってきたのは鉄道模型が展示してある「原鉄道模型博物館」です。
鉄道模型の展示ももちろんすごいですが、創設者の原信太郎という人の鉄道オタクっぷりのすごさにも驚かされます。
◆原鉄道模型博物館の基本情報
・名称 :原鉄道模型博物館
・住所 :神奈川県横浜市西区高島一丁目1番2号横浜三井ビルディング2階
・電話番号:045−640−6699
・開館時間:10:00~17:00
・休館日 :火曜日(祝日の場合は翌営業日)
年末年始、保守点検時
・入館料 :大人1,000円 中高700円 4歳以上500円
・駐車場 :無し
・HP :原鉄道模型博物館公式※この記事の情報は掲載当時のものであり、実際の情報と異なる場合がありますのでご注意ください。
この日は中華街の後に訪問したので、中華街でみなとみらい線に乗り、新高島という駅で降りて歩いて行きました。
車は平日だったので、ワールドポーターズの駐車場が上限1,000円で利用できました。ワールドポーターズの駐車場は平日なら上限が1,000円で利用できるのでおすすめです。
原鉄道模型博物館が入っているビルは日産グローバル本社のとなりにある横浜三井ビルディングという大きなビルです。
見た目がオフィスビルなので、本当にこの中にあるのかと不安になりましたが、ビルの中には案内板がありました。
エスカレーターに乗って2階に上がると原鉄道模型博物館の入り口がありました。
入り口から中に入ると最初の部屋にはいくつかの鉄道模型が展示してありました。
こちらの展示は原信太郎氏が初めて作った鉄道模型だそうです。
ん?初めて作った?
館内を見ていくと原信太郎氏の作品や創作時の考え方などが展示してありました。
原信太郎氏は世界一とも言われる鉄道模型収集家だそうです。
買い集めたものばかりだと勝手に思っていましたが、実際には自分で作ってしまう人だそうで、単なる収集家ではない人でした。
3歳で市電車庫に出入りする電車を見ていたことに始まり、4歳からは祖母に鉄道のおもちゃを買ってもらうようになってからどんどん鉄道オタクになっていったようです。
子供のときには祖母に「つけ」で好きなおもちゃを買うことを許されていたというから結構なお坊ちゃんだったんでしょう。
ある日の放課後、おもちゃ屋めぐりをしていて、ンマイではない電気で動く模型を見たときには、祖母に交渉して、当時の首相の月給が450円だったときに495円もするおもちゃを買ってもらったそうです。
「買うのだったらいいものを」というのが祖母の信条だそうですが、それだけのものを子どもに買うことができるのはすごいですね。
戦後は文房具メーカーのコクヨに就職し、最終的には専務にまでなったそうです。
鉄道模型のオタクかと思いきや、「一番切符」と呼ばれる新しく開業した路線で売り出す切符の1番最初の物を集めることまでしていたそうです。
開業前の工事現場で現場監督にお酒の差し入れをしてご機嫌を伺って、1番切符を買う場所取りをしたこともあるそうです。
鉄道にかける情熱が凄すぎますね。
こちらの部屋には世界各国の鉄道模型が並んでいました。
昔の鉄道って今のものに比べてゴツくて力強い感じですね。
今で言う「撮り鉄」も趣味だったようで、日本中、世界中の鉄道を撮っていたそうです。
原信太郎氏が生前に使っていた鉄道模型を作る作業部屋を再現した展示がありました。
狭い部屋の中にはさまざまな工具が詰まっていました。
作業部屋の隣にはパネルがあり、原信太郎氏が鉄道模型をい作る時にこだわっていた本物志向の紹介がありました。
ただ小さくて走れば良いという鉄道模型を作るのではなく、本物を同じままで小さくする工夫が随所に見られ、もうただの鉄道収集家というよりは鉄道模型メーカーの域に達しているんじゃないかと感じます。
「買うのだったらいいものを」のおばあちゃんの思いがうまく伝わっているようですね。
大きな部屋には1番ゲージと呼ばれるサイズの鉄道模型の室内ジオラマとしては世界最大級の面積となる展示があります。
レールには本物と同じように鉄が使われているため、他の鉄道模型よりもリアルな音が聞こえてきます。
時間で昼間から夜に景色が変わり、ライトアップされたジオラマは幻想的です。
オペラグラスが用意されているため、じっくりと観察することができます。
ジオラマの中には「ゆき男」や「ネッシー」などの隠れキャラがいるので、探すのも楽しみの一つになります。
部屋の奥には椅子があるので、座ってジオラマを眺めながらゆったりと時間を過ごすこともできます。
ジオラマの鉄道模型を操作できる体験があったのでやってみました。
模型についたカメラから送られてくる映像をディスプレイで見ながら、実際の鉄道と同じように再現されたレバーとハンドルを操作していると本物の電車を動かしているかのような気分になります。
コンプレッサーが内蔵されているらしく、ブレーキをかけるときに「プシュー」と音がするのでとてもリアルです。
最期の部屋には横浜の街を再現したジオラマがありました。
出口近くにはプラレールが置かれているキッズスペースもありました。
後で知ったのですが、このビルの1階にある天賞堂という鉄道模型のお店がミュージアムショップも兼ねているようなので、ミュージアムショップに行きたい人はそちらも見てみると良いと思います。
◆まとめ
原鉄道模型博物館についてまとめると、
・子どもよりも大人が楽しい
・原信太郎の鉄道にかける凄すぎる情熱が伝わってくる
・実際に模型を運転できる
という感じでした。
最近、鉄道好きが増えて鉄道オタクという言葉も良く聞くようになりましたが、この原信太郎という人が日本の最高の鉄道オタクであり、最初の鉄道オタクなんだと思いました。
このときは平日でしたが、人が比較的少なくて落ち着いた空間なので、大人がゆっくり楽しむにも良い場所だと思います。