2月23日は富士山の日で、各地で富士山関係のイベントが開かれたり、施設が無料になったりします。
裾野市内にある裾野市立富士山資料館も富士山の日を記念して無料になっていたので行ってきました。
行く前はまったく期待していなかったのですが、富士山だけでなく裾野の考古学的な資料も展示されていて、地域のことに詳しくなれた良い施設でした。
◆富士山資料館の基本情報
・名称 :裾野市立富士山資料館
・住所 :静岡県裾野市須山2255番地の39
・電話番号:055−998−1325
・開館時間:9:00~16:30
・休館日 :月曜日(祝日の場合は開館)
祝日の翌日(土日の場合は開館)
年末年始
・入館料 :大人 210円
小中学生 100円
・駐車場 :有り
・HP :裾野市公式
富士山資料館は富士スカイラインへ行く道の途中にあります。サファリパークの入り口である十里木の信号がある交差点を右に曲がり、少し走ると右手に看板が見えてきます。
看板のすぐ隣に駐車場があります。
海抜880メートルの看板がありました。
この日は2月の後半でしたが、道に雪はありませんでした。しかし、数日前に雪が降ったというときは、ノーマルタイヤの方は気をつけた方が良いかもしれません。
入り口はこんな感じ。
大きな山小屋のような雰囲気の外観です。
富士山の日だったので無料でしたが、通常は大人210円がかかります。
◆展示の紹介
館内は想像以上に明るい雰囲気。
入り口通路の両側には富士山に住む動物と植生している植物に関する展示がありました。
右側には動物の剥製が展示されています。
富士山周辺の道路を走っていてシカは何度か見ましたが、他にもキツネやツキノワグマ、猪などの様々な動物がいるんですね。ツキノワグマが生息していると思うと、これからキャンプをするときに緊張します。
反対側の棚は富士山周辺の植物が展示されていました。
裾野市内から出土した「神代杉」と呼ばれる杉の大木は、今から約1,200年前に地中に埋もれたものと推定されているそうです。
富士山の断面が良く分かる立体模型。
富士山は中央の火口に向かうマグマだけでなく、別のところにもマグマがあるんですね。
こちらは富士山噴火時に飛んだ「火山弾」。
1mくらいある巨大な石で、こんなものが飛んでくるなんて恐ろしいです。
富士山の構造を説明した絵がありました。
これによると富士山は昔は小さな山で、その横に大きな「古富士火山」ができ、さらにそれよりもおおきな「新富士火山」が出来たようです。
富士山の登山道がわかりやすく書かれた模型がありました。
◆宝永の噴火
人が記録に残した富士山の噴火の中で最も激しい3大噴火の一つでし、富士山の噴火の中で最も新しい噴火と言われている「宝永の噴火」についての説明がなかなか興味深かったです。
宝永の噴火は今から300年以上前の江戸時代(1707年)に起こった噴火です。
噴火の前には予兆があり、富士山周辺で小規模な地震が頻発したあと、宝永の東海南海地震(10月28日)が起こり、その一ヶ月後には鳴動が感じられるようになり、12月15日には裾野市須山のふもと、夜には東京は名古屋でも群発地震を感じるようになったそうです。
そして、翌日の12月16日の朝8時頃と10時頃に大きな地震があり、噴火が始まります。
噴火の振動は東京や長野県まで届き、噴出した火山灰の摩擦によって雷が鳴り響き、夜には真っ赤な火柱や火山弾が飛ぶ様子が見られたそうです。
12月16日に始まった噴火は1月1日まで続いたそうで、その間は近くの住民は生きた心地がしなかったでしょう。
◆展示の紹介の続き
富士山周辺にある玄武岩は磁気を帯びているので、その磁気を方位磁石で確かめようというコーナーがありました。
最初に方位磁石を北にあわせて置きます。
そして、方位磁石に玄武岩を近づけると、、、
見事に磁石がぶれ始めました。
富士の樹海で方位磁石が狂うというのは、玄武岩があるから言われるんですね。しかし、以前テレビでやっていましたが、方位磁石がぐるぐる回ってしまうということはないようです。
確かに、玄武岩を近づけてみても針は多少動くだけでした。
奥にある階段を登ると展望室があり、望遠鏡が設置されていました。
この日は雲で富士山が見えなかったのですが、晴れた日には望遠鏡を使って富士山を観察できるようになっていました。
双眼鏡って一つ持っていると旅行に行ったときに意外と楽しいです。
獅子舞用の獅子頭で、これは夫婦獅子の雌だと言われているそうです。
紀元前4,500年ごろの土器が裾野市内からも出土しているみたいです。
目がつり上がっている特徴的な顔をしていますね。
裾野市内でも土器が出るのは知らなかったです。
宗教的な意味合いを持ったものなども出土しているそうで、古代の裾野に住んでいた人たちの様子がわかる面白い展示です。
最近、富士山の登山者から登山料を徴収するということを実験的にしていますが、こちらは昔の人が払った登山料の領収書のようなもので、昔も登山料を払って登っていたようです。
たぶん、今の登山料と違ってこちらは宗教的な寄付金のような形だと思いますが。
現在のお金で2,000円ほどだそうで、今検討されている登山料と同じような金額だったんですね。
神輿も展示されていました。
タッチパネルを搭載した大型スクリーンがあり、タッチをすると見たい映像が流れます。
その他にも座って観賞できる映像コーナーがありました。
富士山の山頂の気象観測所のコーナーには、日本で最初に富士山頂で越冬観測をした野中至、千代子夫妻の話が書かれていました。
そのときの話は「芙蓉の人」という題名で新田次郎により小説になっていて、映画化もされたようです。
◆郷土館
展示室の奥には廊下があり、廊下の奥には郷土館がありました。
裾野市内の昔の生活がわかる道具が収蔵されていて、珍しい道具がたくさんあります。
こちらは農業用の人力扇風機で、人が暑い中作業するのは大変だから涼むためのものかと思ったのですが、籾殻なゴミを吹き飛ばすための装置だそうです。
他にも、皮でできたわらじなど珍しいものが展示されていました。
◆まとめ
富士山資料館についてまとめると、
・サファリパークの近くにある
・富士山の歴史がわかる
・富士山周辺の動植物がわかる
・裾野の歴史がわかる
という感じでした。行く前は大したことがない展示ばかりで10分くらいで帰るだろうと思っていたのですが、実際には1時間以上いました。
展示が面白くて富士山や裾野市について新しい発見ができる面白い施設だと思います。